筋トレでは変形性膝関節症は予防できない!

筋トレでは変形性膝関節症は予防できない!

変形性膝関節症(膝OA)とは?

とってもシンプルに説明すると
足がO脚X脚に変形して
膝が痛くなる疾患です。
※詳細は後程

日本だけでも
約780万人の方が患っています。

この記事をお読みの方にも
「膝が変形して痛い・・
私の事だ!」
と思う方は
いらっしゃるのではないでしょうか?

780万人といえば
日本人口の7%弱・・
この数字を見ると
誰しも膝OAを患うリスクがあると認識し
予防に励む必要があると思います。

実際私が働いている
整骨院にも
病院で変形性膝関節症の診断名をうけ
来院される方がいらっしゃいます。
※経過観察中です

実際
その方々の話を伺ったり
ヨロヨロした歩きや
とても腰の重い
立ち上がり動作
などを見ると
日常生活に多大な影響を
与えている事が理解できます。

特に移動距離は顕著に影響があり
痛みの度合いによってまちまちですが
1日数百歩しか歩いていない方など
ざらにいます。

なにせ歩くと痛いので・・

当然、人との接触も減り
外界からの刺激量も少なくなり
脳機能にも多きく関与してきます。

人によって認知症が
進行するかもしれません。

入院→オペなどしたら
もってのほかでしょう。

このような負のスパイラルを
引き起こす膝OAを予防する
価値は人生において
とても大きなものではないでしょうか?

そこで本日は
変形性膝関節症(膝OA)が
どんな疾患か把握して頂いたうえで
予防法を紹介していきます。

生涯二本の足で
歩き続けるためには
とても大切な知識ですので
是非最後までおつきあいください。

【変形性膝関節症(膝OA)とはどんな疾患】

とっても簡単に説明すると
下の図が膝OAです。

日本整形外科学会のHPより
お借りした画像です。

日本人は特にO脚変形が多く
レントゲンでも分かるように
膝下が内を向く
内反変形によって変形が生じます。

画像1

骨、関節、軟骨を見ていくと
下のような図になります。
これも日本整形外科学会のHPよりお借りしています。

画像2

O脚変形だと
膝関節の内側(上の図の赤丸)の場所に
ストレスが蓄積され
変形が起きます。

ちなみにこの変形は
軟骨の変形だけでなく
骨の棘ができたりと様々な問題を
含んだ病態が膝OAなのです。

とがった部分など見るからに
痛そうですね。

しかしこれだけではありません。

膝OAは膝のみに
痛みが発生するわけではないのです。

足のO脚変形により
他の動物にない
私達ヒトがもっとも得意とする
効率の良い歩行ができなくなります。

※効率の良い歩行ができないから
膝OAになったともいえる。

見た事がありませんか?

O脚のおばあちゃんが
体を左右へ揺らし
体を傾けカタカタ歩く姿を。

もはや
ヒトが獲得した
効率の良い歩行の恩恵をもらえない
この歩き方は
股関節,肩など
体の様々な箇所に
ストレスを蓄積させ
痛みを発生させる事は
専門家でなくともイメージできると思います。

【膝OAリスク度チェック】

それでは現在
膝OAが進行しているかの
(進行しやすい状態なのか?)
チェックをしていきましょう。

□膝に痛みがある
□30分以上の朝のこわばり
□動作時の捻髪音
※膝の曲げ伸ばしでポキポキなるのか?
□骨を押して痛い
□膝の曲げ伸ばしに違和感がある
□膝が伸びずらい、曲げずらい
□膝の形がなんとなくおかしい
(骨の形)
□膝に熱感がある

参考:アメリカリウマチ学会
欧州リウマチ学会
提唱を参考に分かりやすく改編

特に膝に痛みのある方に
当てはまる内容ですが
膝がポキポキなる方などは
膝OAのリスクが高いので
今から注意が必要です!

【膝OAを予防するために大切な2つの要因】

ここからが本題です。
ではこの膝OAをいかに予防していくのか?

実際、影響する要因は多岐に渡ります。

例えば
年齢、性別(女性に発症しやすい)
骨格、職業、喫煙習慣など・・・

本日は多岐にわたる発生要因の中で
影響が大きく、かつ
自身でコントロールできる
リスクを2つ紹介していきます。

1つ目は・・・

〇体重(BMI)

これは自明の理だと思います。
体重(BMI)と膝OAは
当然ながら相関性があります。
そして膝OAに限らず
その他生活習慣病においても
リスクを上げます。

1年前と現在の体重を比較して
増えている方は
要注意です。

〇歩行中のラテラルスラスト

はじめて聞いた言葉の方が
多いと思いますが
歩行中のラテラルスラスト
防ぐことが膝OAの発生リスクを
大きく低下させるのです。

ここで登場本日のメインディッシュ!

膝OAの予防は
筋トレではなくこれ!

話戻ります。

ラテラルスラストは
日本語に直訳すると
「横にずれる」という意味です。

膝OAの発生リスクに
大きな影響を与える事が
歩行時における
膝のラテラルスラスト
つまり
膝のよこずれなのです。

言葉だと難しいと思いますので
スライドを作りました。

スクリーンショット (175)_LI

ラテラルスラストにより
膝下の内への傾きが増強され
O脚が助長される感は伝わりましたか?

なぜこのラテラルスラストは
起きるのでしょうか?

その答えは明確です。

ヒトが本来持っている
効率的な歩行ができていないからです!

つまり効率的な歩行を理解し
それに向けての体作りを行えば
膝OAは予防できるという事です!

【効率的な歩行とは?】

結論からいうと
効率の良い歩行とは
ジェットコースター運動です。

画像3

私達は歩行時
かかとを着いた時が
一番低いポジション
をとります。

そこから足裏全体をつけていく
過程で徐々に高いポジションを
とり足裏全体が付いた時
もっとも高く位置
します。

そして・・・その高さに
よって生まれた
位置エネルギー
前方へ進むための
運動エネルギーに変えて
進んでいるのです。

※位置エネルギーとは
ボールを上に投げたら
勝手に落ちてくる力だと思ってください。

言葉だと難しいと思いますので
下の図を参考にして頂ければと思います。

スクリーンショット (176)_LI

つまり

画像6

このような姿勢で
歩いていくと
高さは上がってこないので
位置エネルギーは高まりません。

つまり軸の伸びていない姿勢では
効率のよい歩行はできません。

1つの答えが見えましたね!
膝OAを予防するために
大切な事が
軸の伸びた姿勢を作る事になります!

そして地面に足が接地した時の
衝撃吸収や
前方へ身体を移動させるために
大切なもう1つの要因が
背骨を捻じる事!

つまり回旋力になります!

以前の記事でも挙げましたが
ヒトだけしか
回旋して移動しない事を考えても
回旋力の重要性が理解できると思います。

ちなみに・・
本日記事のタイトル
「筋トレでも変形性膝関節症は予防できない」
についてですが

大腿四頭筋(太もも前)や
股関節外転筋(おしり外)のトレーニングでは
痛みは改善するが
O脚のラインの改善には効果が
出ない
事が研究の結果として
出ています。

筋トレは効果なしとはいいませんが
根本解決にならない事を
ここでご理解頂ければ嬉しく思います。

【まとめ】

いかがでしょうか?
変形性膝関節症の予防を
したい気持ちが育まれ
どうすれば予防できるかが
理解できましたか?

次回の記事では
本日の最後のテーマになった
軸の伸長と回旋力を強化する
ピラティスをご紹介していこうと思います。

乞うご期待!!

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